追伸:
今、あらゆる形で認知戦が仕掛けられています。
「認知戦」という言葉は、英語では「コグニティブ・ウォーフェア」と言います。もともとは軍事研究で使用されていた用語です。「コグニティブ・ウォーフェア」という言葉を作ったのは、世界的にも著名な認知科学者である苫米地英人博士です。日本人が「認知戦」という言葉を作りました。今では、ニュースや新聞でも使用され、一般の人々にもよく知られた言葉になりました。
「認知戦」は、ごく身近なところで始まっています。とくに、認知戦は「文化マルクス主義」を偲ばせて近づいてきます。文化マルクス主義の中にはスピリチュアル・ニューエイジ思想も含まれます。なぜなら、文化マルクス主義の背景にあるのは、新自由主義経済と新保守主義(ネオコン)であり、いずれもこれらは極左やリベラルによく見られるもので、大衆心理操作と併せて行われるからです。社会的な経済システムに一挙に打撃を与えて、世界システムを改変しようとする試みであり、最終ゴールは「ワン・ワールド」、つまり、奴隷化の超監視社会です。その為に、民族や文化や伝統を打ち壊すようなテーゼを広め、精神文化や芸術表現も交えながら、堂々と文化破壊をしていきます。LGBTも文化マルクス主義に利用されることがあります。これは、マイノリティな立場にいる人たちを尊重して行われるのではなく、あえて少数派の立場を利用して、多くの人々に根づいている伝統や価値観を破壊し、分断を図り、その隙に新たな他の概念を書き込むという大衆洗脳の戦略を執って行われることがあります。
これらの動向の背後で密かに浸透しているのが、スピリチュアル・ニューエイジ思想です。日本で広められているスピリチュアルで注意が必要なのは、思考停止した状態で強力な変性意識状態を作り出してしまう点です。この時、脳と心に様々な情報を他者が自由に書き込みやすくなります。そして、人々の脳と心にある種の物語やパターンが形成され、それに即して人生を選択してしまうよう、無意識に誘導されます。更に、本人の自覚がないままに「文化マルクス主義」に洗脳されてしまう傾向があります。
また、洗脳された状態でインフルエンサーになる者も多く、本人も気づかないうちに「認知戦の罠」に嵌まってしまう状況も少なくありません。たとえば、スピリチュアル系で多いのは、家族やそれまでの絆を一挙に捨てて、魂の伴侶との出会いを求めてしまうというものです。これは、「文化マルクス主義」や「ネオコン」をベースとしたスピリチュアル・ニューエイジ思想によく見られる手法です。「過去は関係ない、未来がある」という尤もらしい話をしながら、結局は古い洗脳から新たな洗脳に置き換えるだけのものもあります。
現代日本のスピリチュアルブームの多くが、書籍や雑誌、自己啓発セミナー、SNSなどのメディアを通して、恋愛や結婚または不倫願望のある人、欲求不満のある人をターゲットに仕掛けられます。これはまるでGHQと戦後メディアが日本人に仕掛けた「3S政策」のようなものです。人々が誰でも持っている煩悩に強化し、情動優位にして、問題の本質から眼を逸らすよう誘導する手法が組み込まれています。催眠や洗脳、大衆心理操作が使われているため、知らず知らずのうちに、人間のもっとも純粋で繊細で弱いところをターゲットにして仕掛けてきます。こういったやり方も文化マルクス主義的な認知戦のやり方です。
また、日本で流行しているスピリチュアル・ニューエイジ思想の背景には、19世紀から20世紀前半のヨーロッパやアメリカで流行した「神智学」や「千年王国思想」の影響が見られます。神智学は社会主義が土台となっており、千年王国思想はユダヤ教やキリスト教の聖書に記された情報を極左化したものです。千年王国思想は古代から中世、近現代に掛けても幅広く影響しています。たとえば、ユーラシア大陸で広まった弥勒菩薩信仰にも千年王国思想が見られますし、中国大陸で起きた太平天国の乱も千年王国思想の影響でした。宗教的な思想が過度に進むと、暴動や破壊、革命理論を生み出し、破壊的な結果を生み出すことがあります。しかし、日本の歴史教育や倫理哲学といった一般教養課程の授業で詳しくは教えない知識であるため、何も知らないまま、何の疑いもなく、コロッと洗脳されてしまう人も少なくないのだと思います。
「認知戦」は、人間の思考に「盲点」(スコトーマ)を作り出し、本来の姿や本質を見えなくさせてしまうものです。誰かが作った空想のスピリチュアルな「物語性」に引き込まれてしまうと、その結果、思考停止していきます。そして、従順な下僕を作り出してしまう。これでは、元も子もありません。何も知らないでいると、認知戦を仕掛けられて操られてしまいます。
私たちが目指すのは、認知戦に負けない知力を養うことです。今の時代は、知識量を増やし、抽象度を高くすることが大切です。私たちは、それぞれの人生の中で高い抽象度を維持していく必要があります。現状の延長ではない、どこかのエリート集団が作った奴隷の夢でもない、次の世代、100年後、1000年後の未来のためにも、自分自身で人生の方向性と目標を持つ時なのではないのでしょうか。未来に向けて、一人一人が壮大なゴールを設定をすること、そして、未来をつくるのは私たち自身であるという自己能力を認識して高めていくことが、今、何よりも大切になってきているのではないのでしょうか。
どうか、今ここにいるあなたには、世の中で展開されている認知戦や様々な現代的な戦いの犠牲者にはならないでいただきたいと思っています。誰かが作ったナラティブな物語ではなく、あなた自身があなたの人生の主人公であることを思い出して、本当の幸せを掴んでいってほしいと願っています。
あなたが生きているから、今があり、宇宙があり、地球があり、未来があります。あなたは無数の関係性の網の目の中で今を生きています。あなたは無限の宇宙の中で、あなたという宇宙を創り出しています。どうか一つ一つの関係性を大切に、あなたらしく輝いて、より良い未来を作っていってください。それが私の本当の心からの願いです。
一人一人が本当に望む人生を送ること。
今ここにいるあなたの未来を信じています。
あなたの人生にとって、このニュースレターの配信が何か一つでも貢献できるのであれば光栄に存じます。
矢口詩穗里藝術総合研究所